各種書評

週刊読書人(2022年10月21日号)掲載

 難問を解明する「怪物的な本」 複数の時間の共存と、世界を生み出す物質の騒めき(小林卓也さん)

 「心の哲学や時間論は、こうした難問にこれまで再三挑戦してきたわけだが、本書はマルチ時間スケール(MTS)という立脚点から…これを一点の曇りもなく解明してしまう」

図書新聞(3570号 2022年12月10日)掲載

 斬新な着想がたっぷりと含まれた書物――哲学史研究と哲学を幸福な関係のうちに統合してみせる(杉山直樹さん)

 「押さえつければページの間からこぼれ出てくる気がするほどに、斬新な着想がたっぷりと含まれた書物だ」「ベルクソン研究に限ってみても、本書が提出する解釈の多くは画期的である。[…]本書は、そうした研究史上の懸案に対して、新しい 講義録なども駆使しながら、正面から一定の解決を提案する」

ブログなどでのレビュー

レビューでいただいた質問のいくつかについてはこちらで返答しています。

浜地貴志さん(進化生物学)「私としては自分がこれまで読んできた中でも傑出した「哲学」の入門として読んでいる。ですが、書籍紹介・概要には「時間」のことをフィーチャーするにとどまっているので、ここでは「哲学入門」であるということを強調したい」

浜地貴志さんによるレビュー

丸山隆一さん「ベルクソン哲学のMTS解釈は、いろいろな方面に敷衍できると思う。意外な含意、場合によっては看過できないほど重大な帰結を導くこともあるはずだ」

丸山隆一さんによるレビュー

馬場高志さんによる拙著全体の概要レビュー「世界は時間でできている 平井靖史著(読書メモ)」。マギルクリストへの言及もあり。

https://note.com/baba_blog/n/nf0b9dcd392d9

真昼の深夜さんのポッドキャスト番組「あの日の交差点」【番外編】#15「受け取って流す」

冒頭8分程度で、拙著の概要紹介から〈個であることの重荷を少し世界の方に下ろせる〉という話への接続まで。

https://t.co/mQRlIc5z2n

中澤正行さんによる記事「順撮り神話 『ペパーミント・キャンディー』をめぐって」

「順撮り」という撮影方法をめぐる考察に拙著を活用してくださっている。時間論を梃子にした映画論・演技論。

https://note.com/crybastion/n/nf81eae46c235

いちろう@対話の哲学さんによる骨太の考察。『世界は時間でできている』についてここまで踏み込んだ読解が現れてきて震撼している。随所で私の記述のニュアンスを確認した上で、そこから意図的にずらしたり、展開したりしてくださっている。丁寧かつ明快。続編のほうは空間、そして「人称」へのマルチスケールの拡張を論じられていて、入不二哲学・永井哲学との接続可能性も描かれている。深謝。

  1. 平井靖史『世界は時間でできている ベルクソン時間哲学入門』(青土社) | ひらいやすし

    ·

    […] 各種レビューについてはこちら。 […]