セラ・トカイ『音楽家としての身体 音楽的運動性の現象学』

Serâ Tokay, Le corps musicien – Une phénoménologie de la motricité musicale, Liber, Montréal, 2016

2016年度PBJシンポジウムで招いたジャン=リュック・プチから紹介された書籍。

自身が一流の指揮者である著者が、音楽家の身体でなにが起きているのかを現象学的に論じている稀な書籍。そこでまなざしや呼吸、身振りが果たす役割を、具体的に解明している。現象学や神経科学の記述などはプチが監修したと聞いた。

第一章は「固有身体、キネステーゼ、音楽」。第二章は「音楽的感情の神経心理学的基礎」、第三章は「音楽における時間性」、第四章「コンサートでの間主観性」、第五章「オーケストラ指揮者の運動的エンパシー」という構成。

全般に具体的な楽節が例示されていて、音楽的素養があればさらに面白いのだろうな、と。第三章ではフッサールの時間図式が応用されているし、temporalité affectanteとしてのニュアンス、音楽的運動の多次元性など、他では見られないしなやかに行き届いた分析が、すごく新鮮。

これは翻訳されて広く哲学者だけでなく音楽家や音楽関係者の人にも読まれてほしいと強く思った。

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